ゲームレビュー「三国恋戦記〜オトメの兵法!〜」

 

「三国恋戦記」は株式会社プロトタイプさんの恋愛アドベンチャーゲームです。

 普通の女子高生が、「三国志」の世界によく似た世界に飛ばされ、軍師として戦いに参加することになり、三国の英傑たちと恋をする、というストーリー。

「遥かなる時空の中で」と同様の、タイムスリップ風・異世界物です。

 乙女ゲームとしてはわりとマイナーな方かもしれませんが、ネット等の評価は高く、管理人もとても好きになりました。

 以下はあらすじ&レビューです。

 

           ☆    ☆    ☆

 

 ある時、不思議な「本」の力で現代から見知らぬ場所に飛ばされた主人公。

 そこはおよそ1800年前の中国と、よく似た異世界でした。

 時は漢王朝末期。

「劉玄徳」「曹孟徳」「孫仲謀」の3つの勢力が、大陸の覇権を賭けて争う戦乱の世です。

 主人公はこのうち「劉玄徳」と出会い、軍師として彼の軍勢に参加することになります。

 

 ゲームの導入部は、三国志ファンにはお馴染みの「三顧の礼」が元ネタになっています。

 劉玄徳は、賢才と名高い「諸葛孔明」に協力を求めてやってくるんですけど、孔明は迷子の主人公を「弟子」だと偽って、自分の代わりに玄徳に押し付けてしまいます。

 孔明がなぜそんなことをしたのかもわからないまま、とにかく「諸葛孔明の弟子」という肩書きで、戦乱の世を生きていくことになった主人公。

 最初は元の世界に帰れなくてただ途方に暮れるばかりなんですが、素性も不確かな自分を助けてくれた玄徳らに感謝し、やがて彼らの役に立ちたいと思うようになります。

 

 ちなみに、普通の女子高生がどうやって戦いの役に立つのかというと、彼女を異世界に招いた「本」、これがポイントです。

 この本には、持ち主が望む「策」を授けてくれるという不思議な力があります。

 例えば、主人公が「玄徳さんの軍が、次の戦いで敵に勝つ方法が知りたい」と願えば、そのために必要な作戦を教えてくれるのです。

 本の力で、主人公は敵の大軍を退け、玄徳や仲間の信頼を得ることができました。

 しかし同時に凄惨な戦場を目の当たりにし、自分の「策」が敵兵を殺したことも知ってしまいます。

 

 どうすればよかったのか、この世界で自分に何ができるのか――。

 自問し、迷い、悩む主人公。

 やがて「曹孟徳」や「孫仲謀」とも出会い、彼らの考え方や立場も知りながら、少しずつ答えを探していきます。

 

 物語の中盤には、有名な「赤壁の戦い」があります。

 ここを1つのターニングポイントとして、その後の展開が変わっていきます。

 プレーヤーの選択次第では、玄徳の陣営を離れ、孟徳や仲謀の陣営に加わることもできます。

 

           ☆    ☆    ☆

 

 ストーリーは、三国志を知らない人でも普通に楽しむことができます。

 と言って、原作をないがしろにしているわけではなく、有名なエピソードが随所に絡んでくるので、元ネタを知っていれば、より楽しめるのは間違いないと思います。

 ノーマルルートでは、乙女ゲーというより、タイムスリップ歴史物と言ってもいいんじゃ?というような盛り上がりを見せてくれます。

 それが、個々のキャラクターを攻略する個別ルートになると一転、「戦乱」は背景に遠ざかり、主人公や攻略キャラの心情が丁寧に描かれ、間違いなく乙女ゲームなんだと再認識させてくれます。

 

 この「丁寧」というのが、ネットでの評価が高いポイントの1つかと思います。

 絵が雑だったり、キャラ設定が練られてなかったり、明らかな矛盾が放置されていたり。そんなゲームにうんざりの方には、特にこのゲームをやってもらいたいですね。

 もちろん、ツッコミどころがないわけじゃないし、本格的な三国志ファンには物足りない部分もあるかもしれませんが。

 

           ☆    ☆    ☆

 

 攻略キャラは美形揃い、というわけではありません。

 絵も、美麗というより可愛い系。スチルは綺麗だし丁寧なので、管理人は好きですが、「子供っぽい」と感じる人も居るかもしれません。

 ストーリーやシステムは二の次。萌えるキャラと、萌えるシチュエーションで甘い時を過ごしたい、という人にはあまりオススメしないかも。

 

 というのも、このゲームの主人公は、特別なものは何も持っていないのです。

 例えば龍神に選ばれたとか、宇宙の女王候補であるとか、失われた国の王女であるとか。

 攻略キャラが、彼女を特別な宝石のように大切にする理由がない。いわゆる「お姫様扱い」とは無縁です。

 それどころか、戦乱の世に現れた「軍師」として、時に疑われ、試され、並み居る戦国の英傑と対等に振舞うことさえ要求される。

 管理人はそこが新鮮でよかったと思うんですけど、「合わない」という人も居るでしょう。

 

 攻略キャラの中には、主人公を甘やかしてくれる人も居ます。

が、それに流されていては、そのキャラとグッドエンドを迎えることはできなくなっているのが、このゲームのおもしろいところ。

 また、攻略キャラにはそれぞれ立場があり、自分の意思や目的だけでなく、所属する勢力の利益も考えて行動します。

 いくら恋愛のため、主人公のためとはいえ、自身の立場を簡単に手放したりはしません。

 いえ、実は1人だけ、物語の始めから主人公のために行動してくれているキャラが居るんですけどね。

 でもその「彼」は、基本、本心を見せない人なので、個別ルートをプレイするまでは真意がわからないようになっています。

 

           ☆   ☆   ☆

 

 ゲームのシステムは、会話や文章を読み進め、選択肢を選ぶことでストーリーが変化する、というもの。

 目新しさは特にありませんが、キャラ同士の会話や掛け合いが楽しいので、飽きるということはありません。

 周回プレイ時には、既読スキップならぬ既読ジャンプ、という大変便利な機能があります。

 前後の選択肢に、文字通りジャンプできる機能です。

 スキップだと、長いイベントの時には待ち時間が辛いですが、これを使うと本当に速いです。ストレスのない、快適なプレイが楽しめます。

 

           ☆    ☆    ☆

 

 さて、ここまで長々と書いてきましたが、この「恋戦記」、大抵の人には、やって損のないゲームだと思います。

 管理人は、1人でも多くの人に遊んでもらいたいと思っています。 そしてあわよくばもっと人気が出て、メーカーさんに続編を出してもらいたい、というのが本音です(笑)。

 

 まあ、タイトルだけ見た時は、管理人もちょっと引きました。

「三国恋戦記〜オトメの兵法!〜」ですからね。「どんなイロモノ三国志だ」、って普通思いますよね(笑)

 あとは、上にも書きましたが、さほど萌え系の絵ではありません。

 同じ三国志をテーマにした乙女ゲー「十三支演戯」は、猫耳、美形、美少年、と萌え要素満載ですからね。いえ、もちろん内容もちゃんとしてるみたいですけど。

 

 乙女ゲームで1番、大切なもの……。

管理人が、「恋戦記」で最も魅かれている部分……。

ストーリーがイベントの内容が、とさんざん書いてきて言うのも何ですが、1番はやっぱりキャラクターです。

脇役キャラさえ、いい味出してます。

攻略キャラはそれぞれ個性があって、ただかっこいいだけじゃなく欠点や弱さもあって……。多分、そこが「やってみたらハマった」という人が多い理由じゃないかなと。

「かっこよさ」が万人に受ける魅力なら、「弱さ」や「欠点」はわかる人にだけわかる魅力、とでもいいましょうか。

私には、この人のことが理解できる。他の人にはわからなくても、私には……一種の優越感と、共感。響き合う気持ち。

 

主人公は、恋愛に積極的なタイプではありません。

容姿は普通だし、自分がこの世界で「何も持っていない」ことも自覚しています。それに、「いつかはこの世界を離れる」こともわかっていますから、それほど積極的になれるはずがないんですね。

だから、最初は想いに気づかなかったり、気づいても伝えようとしなかったり、でも、やっぱり好きなんだと自覚してしまったり……。

誰かを好きな時って、こういうのありそうだなー、という心情が、やっぱり丁寧に描写されています。

 

           ☆    ☆    ☆

 

 最後に、これは本当に蛇足ですが、これからこのゲームを遊ぶ、という人に。

キャラの攻略順について――特に、「最初に攻略するのは避けた方がいい」とネット上で言及されている、「雲長」と「孔明師匠」について。

 

雲長さんルートは、ゲーム世界そのもののネタバレが入るので、ある程度、ゲームの流れを知ってからの方が、驚きやゾクゾク感があって楽しめると思います。

なので、3〜4周してから、攻略するのがいいと思います。管理人個人の意見としては、最後まで引っ張る必要はないと思いました。

 

ですが、孔明師匠に関しては、本当に最後にした方がいいかもしれません。

 別に、ネタバレがあるからではありません。ていうか、三国志を少しでも知ってる人なら、「あの子」の名前が出た瞬間、気づきますよね。

 これは管理人の個人的経験に基づく意見です。

 先に師匠やっちゃうと……他の人を攻略するのが辛くなる。

 

 ええ、ネットのご忠告を聞かず、好きな人から攻略しちゃった管理人ですよ。

 師匠は他の人のルートでもちょいちょい出てくるし、主人公の気持ちに沿って行動してくれるので……。

違うんです、師匠。うちの花ちゃんが好きなのはあなたです、と言いたくなってしまう。なのに、言えないのが辛い……。

 

自分は師匠にはハマらない、と自信のある人は別です。

また、全キャラ攻略なんてしない、好きな人しか見ないよー、という人も、特にこだわる必要はないでしょう。

 攻略順なんて、所詮プレーヤーの自由です。管理人のような経験をするのも、また一興でしょうし。

 

 長くなりましたが、以上で終わります。

 恋戦記のファンが、1人でも増えることを祈って……。

 

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