乙女ゲーム語り

 

 最近の乙女ゲームについて、思うところをつらつらと書き綴ったページです。

 

 1、はじめに

 2、最近の乙女ゲームのこと

 3、こんな乙女ゲームがしてみたい

  例1)主人公を無色にする

  例2)主人公の年齢を変える

  例3)主人公の性格を変える

  例4)主人公複数制

  例5)主人公男女選択制

  例6)ライバル多数登場

  例7)攻略キャラのタイプを増やす

  例8)難易度を上げる

   例9)個別ルートについて

 4、具体例

(1)主人公に最初から個性がある場合〜ヒロインを落とせ〜

例1)主人公が大人の女性

例2)主人公が女子高生なら

例3)男性より強い主人公

(2)主人公が無個性な場合〜和風ときめきメモリアル〜

 (3)攻略キャラよりライバルの数が多い〜高嶺の花を勝ち取れ〜

(4)同一時間軸で展開する壮大な物語〜大河ドラマチックな乙女ゲー〜

 まとめ・乙女ゲームで1番大事なのは

 オマケ・本格派RPGの乙女ゲーム化?



1、はじめに

 

 まず、最初に。

こんなサイトをやっている管理人ですが、別に乙女ゲームオタクというわけではありません。

 コーエーさんのネオロマンスから初めて、他のメーカーさんにも手を広げてみるか……とネットの評判を物色し、実際にいくつかのゲームを遊んでみて。

 すごくおもしろいと思えるゲームも確かにあったんだけど、次はこれをやりたい!どうしてもやってみたい!って思えるゲームが今現在あるか、というと……微妙(笑)。

 

 乙女ゲームって、ある程度パターンが決まってますよね。

 主人公は10代後半〜20歳くらい。多少のクセはあっても、基本「いい子」で不自然なほど愛される。

攻略キャラは5人〜10人くらいで、ほぼ例外なくイケメン。

シチュエーションもだいぶ出尽くして、この頃ではちょっとマンネリ感が……。

 

いえ、別にいいんですよ?乙女ゲームなんだから、乙女が主人公で。

かっこいい男性キャラから、萌えるシチュエーションで甘いセリフを囁かれるっていう、乙女の夢を詰め込んだのが乙女ゲームなわけで、その根幹の部分を否定したいわけじゃありません。

 ただ、もうちょっとこう、新しい方向を模索しみてもいいんじゃないかな、とは思います。

 乙女ゲーム大好き!な人のためだけのゲームじゃなく、普通にゲームが好き、という人にも興味を持ってもらえるような乙女ゲームが、もっと増えてほしい。

 でないと、遠からず廃れてしまう予感が……(笑)。

 


 

2、最近の乙女ゲームのこと

 

「乙女ゲーム」というジャンルが生まれて二十余年。

 最近の乙女ゲームを評してよく使われるのが、「まるで声と音楽つきの小説のようだ」という言葉。

 システムも簡略化され、ただ文章を読むだけ、目当てのキャラに会いに行くだけ。

「ゲーム」でありながらゲーム性が低い。むしろ、「ゲーム」の部分から離れる方向に進化していっている。

 

 そして、そういう「進化」を喜ぶ声も少なからずあるようです。

 パラメータ上げとか戦闘とかスキルアップとか面倒くさい、ただイベントが見られればいい、声優さんの声が聞ければいい。

 それは個人の好みですし、そういうゲームが悪いなどとは申しません。

 

 ただ、そういうゲームばっかりだと、普通に困ります。

というのも、上記の意見は、どちらかというと普段あまりゲームをやらない、主に乙女ゲームのみを遊ぶという人にありがちな意見じゃないかと思うんですよね。

 乙女ゲームも数あるジャンルの中のひとつとして、やってみたい作品があれば遊ぶ、という人には、「ゲーム」要素のないゲームはヌルイ、物足りないとうつることもしばしば。

いや、ひとつふたつなら楽しめても、いずれは飽きてしまいます。

 

 そういう人の場合、例えばゲームの内容に不満があっても、敢えてネットで発言したりしないことも多いんですよね。ただ、黙ってその世界から離れていくだけです。

「声の大きい人たちの意見」が必ずしも多数派の意見ではないってことを、メーカーさんにはもう少し意識してほしい。

 

 どんなジャンルでも、売り上げの大部分を支えているのは、実はマニアよりも普通のファンであるはず。

 数億部を売り上げた漫画「ONE PIECE」だって、少年漫画ファンだけが買っているわけじゃない。むしろ、日頃はさほど漫画を読まない人たちが手に取ってくれているからこそ、驚異的な売上げを記録できるわけで。

 

 もちろん、乙女ゲームファンに「おもしろい」と思ってもらえることが大前提です。

その上で、普段あまり乙女ゲーをやらない人にも「おもしろそう」と思ってもらえるようなゲームが、今一度、増えてくれたらいいなあ……と思います。

 


 

3、こんな乙女ゲームがしてみたい

 

 お次は、こんな乙女ゲームがしてみたい、乙女ゲームのこんな所をもう少し変えてほしい……という例を。

 あくまで個人的意見ですので、異論も多々あるとは思いますが、お目こぼしのほどを。

 

例1)主人公を無色にする

 ギャルゲーと違って、乙女ゲームの主人公にはだいたい性格・個性があります。

 それ自体はいいのですが、攻略キャラにも個性や好みがある以上、相手によっては、どうしても無理が出てしまいます。

恋愛には相性、っていうものがありますよね。美人でいい子なら惚れるってものでもない。

主人公が基本的にしゃべらず、プレイヤーが選択肢を選ぶことで主人公の個性を「作っていく」ことができるゲーム(例:「金色のコルダ」シリーズなど)は、この点、優れていると思います。……かなり少数派ではありますが。

 

 

例2)主人公の年齢を変える

 最近は大人が主人公の少女マンガも増えています。

 では、乙女ゲームの世界ではどうかというと、攻略キャラの年齢はけっこう幅広いのに、主人公は1617歳がほとんど。

 何かそうでなきゃいけないっていうルールでもあるのか、と疑いたくなるレベルですよ(笑)。

 

 20代〜30代の女性が主人公で、一般向けの(CERO「B」か「C」くらいの)ゲームが、もっと増えてもいいのではないでしょうか。

 実年齢が上がると、学園物とかには手を出しづらくなる(あるいは興味が薄れる)、プレイヤー心理もわかってくださいな。

 

 

例3)主人公の性格を変える

 乙女ゲームの攻略キャラっていうのは、基本、魅力的に作りこまれている場合が多いですよね。

 マイナス評価がつくのは、だいたい主人公。

 ネットのレビューでも、「天然無邪気なヒロインにうんざり……」とか、逆に「主人公の性格、アクが強過ぎてダメ」などの意見が多く見られます。

他にも、人として最低限の常識もない、言うことがころころ変わる、やたら突っ走って他人に迷惑をかける、挙句、感謝も謝罪もできない、学習能力がない、女性としての危機意識が欠如している、等々。

もちろん、製作者様も、「狙って」そういうヒロイン像を作り出しているわけではないでしょう。

むしろシナリオの都合にあわせてヒロインを動かした結果、そういう風に見えてしまっている場合が多いんですよね。……狙ってやっているより問題かもしれませんが(笑)。

 万人に好かれるヒロインというのは存在しないでしょうが、プレイヤー目線でも魅力的に見える主人公、というのがもう少し増えてほしいな、とは思います。

 

 

例4)主人公複数制

 ゲーム開始時に、3人くらいの主人公から1人を選ぶ。キャラによっては特定の主人公でなければ攻略できないようにする、とか。

 ストーリー的にも、いろんな角度から物語を見ることができるので、話を盛り上げやすいんじゃないでしょうか。

 以前は『ファンタスティックフォーチュン』シリーズとかあったのに、最近ではほとんど見かけないですよね……。

 

 

例5)主人公男女選択制

 攻略キャラが男女両方居て、主人公も男女から選べるシステムもいいかもしれません。

 恋愛ゲームではないけど、「サモンナイト」シリーズみたいな感じで。

 

 

例6)ライバル多数登場

 いっそのこと、攻略キャラは1人〜数人で、数多のライバルたちと戦って愛を勝ち取る、みたいなゲームがあってもいいんじゃないでしょうか。

 

 

例7)攻略キャラのタイプを増やす

 

 ぶっちゃけ、イケメンばっかりってどうなんでしょうね。

「乙女」の好みは多様なものだと思うし、「かっこいい男性」の定義だって、普通はもっと幅広いと思うんですが。

 

『鋼の錬金術師』(荒川弘さんの漫画。超オススメ)のキャスリンみたいに、筋肉・ヒゲ萌えの乙女も居れば、『大奥』(よしながふみさんの漫画。歴史好きには絶対オススメ)の吉宗公の如く、美しい男にはいっさい興味なし、という女性も居るわけですよ。

 他にも地味系とか、ひょうきん系とか、ぽっちゃり系が好き、とか。見た目はどうでも、中身重視って人も居るし。

 

 ちなみに管理人の場合は、見た目の萌えは大いに重視しますし、筋肉やヒゲには興味ない方です。

 ただ、キラキラのイケメンオンリーだと、やっぱりおもしろくない。

 大勢のタイプの中から、好みのタイプを「選ぶ」楽しみっていうのは、あった方が嬉しいです。

 最近はネット上のレビューを見ても、「フルコンプリートした上での感想です」なんて書いてる人がけっこう居て、「全員攻略」が普通になってるのかなって思ったりもするけど、興味のないキャラを攻略するのは、管理人にはただの作業にしか思えなくて……。

「遊んでる」んじゃなくて「やらされてる」感じがするんです。全員攻略しないとお話の真相がわからない、っていうゲームは正直困ります。

 

 

例8)難易度を上げる

 これはまあ、賛否両論あるところでしょうが……。

「小説を読むようにゲームを楽しめる」人にとっては、現状でも特に問題を感じることはないと思います。

 ただ、「ゲームにはゲームの楽しさがあってほしい」と感じる管理人のような人間にとっては、最近の乙女ゲーはちょっと……(汗)。

 

 無駄に面倒くさくしろ、というのではありません。

 むしろ、乙女ゲームというのは周回プレイが基本ですから、遊びやすいシステムは必須。

好感度の確認がしやすい、既読の文章は手早くスキップできる、セーブやロードがしやすい、等ですね。

 

 遊びやすく、それでいて適度な難しさがあり、頭を使って攻略キャラを「落とす」楽しみがある。

 初代「金色のコルダ」はこの点、絶妙だったなあ……。「遙か3」の円陣システムや運命上書きシステムも楽しかった。

 

 慣れるまでは、少し難しいかな?と感じるくらいでいいと思うんですよ。だいたい、人気のあるゲームってそうじゃないですか?

 最初はちょっと歯ごたえがあって、だけど噛んでいるうちに味が出て(そのゲームの楽しさがわかるようになり)、噛んでも噛んでもやめられない(どっぷりハマる)。いわゆるスルメゲー、ってやつ。

 

 乙女ゲームというジャンルは、キャラクターの魅力と、ストーリーのおもしろさ、という点では、すばらしい作品が数多くあります。

 これにバランスのとれたゲームシステムが加われば、他ジャンルの名作にも負けない、傑作間違いなし。

 そんな「神ゲー」に挑戦してみるメーカーさん、どこかに居ないでしょうか?

 

 

例9)個別ルートについて

 最後は、個人的な好みの話になりますが……。

 

「個別ルート」があるゲームより、同一時間軸上で物語が進行するゲームがいい。

 

 もともとはドラクエとか王道RPG好きだった管理人が乙女ゲームの世界に踏み込んだのは、「『恋愛』ってものをゲームにしたら、そりゃあおもしろいに違いない」という思いがあったからです。

 擬似恋愛がしたかったわけではありません。恋愛小説が読みたかったわけでもありません。ゲーム世界に浸りつつ、一方では恋愛を「ゲーム」として、複雑な駆け引きや人間関係を楽しみたかったのです。

 だからこそ、相手との関係だけに終始する「個別ルート」よりも、同一時間軸上でサブキャラも含めた複数のキャラとの関係を楽しみ、時には嫉妬や三角関係もあり、切なさで胸が痛いシーンもあり、別れや悲恋エンドもあり……。

 プレイヤーの分身たる主人公が、自分から行動し、選択し、それによって起きるイベントが変わったり、ストーリーが複雑に細かく分岐していく。遊ぶたびに、キャラクターの魅力を再発見できるようなゲーム。

 ……と、いうのが管理人の理想だったわけですが、実際にはそういう乙女ゲー、滅多にないですよね。むしろ、あったら誰か教えてください、本当に(笑)。

 


 

4、具体例

 

 次は「こんな乙女ゲームをしてみたい」という具体例です。

 管理人はあまり乙女ゲーム歴が長くありませんので、もしかすると既存のゲームの中に似たものがあるかもしれませんが……。

 

(1)主人公に最初から個性がある場合〜ヒロインを落とせ〜

 

 上でも書いたように、乙女ゲームの場合、主人公の評価が攻略キャラより低くなりがち。

 まあ、それも当然というか、そもそも1人のヒロインが5〜10人の男性に好意を向けられるなんて、よっぽど魅力的な子じゃなければおかしいでしょう。

 最初は「ゲームだからこういうものなんだ」でよくても、遊ぶ側もだんだん目が肥えてきて、不自然に思えてしまうのは仕方のないところ。

 こうした点を改善するため、主人公を「簡単には落ちない女」にして、主人公の側が攻略されているように見えるゲームはどうでしょう。

 

 主人公は、しっかりした芯のある女性。仕事、もしくは明確な目的とかがあって、1人でも全然生きていけるタイプ。

 でも女子力が高いから、出会う男性によくアプローチされる。

 

 普通の乙女ゲームなら、まずイベント失敗になるような選択肢(例えばデートの誘いを断るとか、そっけない態度をとるとか)を選ぶと、逆に相手の気持ちがアップしたり。

 イケメンに甘い言葉をかけられるのも飽きたという方は、逆にフッてみるっていうのも、ちょっと楽しそうじゃないですか?(笑)

 

 そうやって必死のアプローチを受けているうちに、ふと相手に恋心が芽生える……。

 で、グッドエンド。

 もしくは、誰ともくっつかないパターンもありで。

 

例1)主人公が大人の女性

 

 ヒロインを落とせ、その1。主人公が大人の場合。

 

 小さなカフェを営む店長さんとかで、20代〜30代くらいの女性。

 知的で物静か。笑顔が魅力的だが、「笑う」というより、「ほほえむ」感じ。

 祖父から受け継いだ店を守っていくのが生きがい。コーヒーを淹れるのが得意で、常連さんたちとの日々の交流を楽しんでいる。

 今の生活に満足しているので、それを変えたい……無理に「恋愛したい」とは思っていない。

見た目も地味系だが、たまに着飾ったりすると、ぐっと印象が変わる。

 

 おとなしいんだけど芯は強いっていう、『エマ』(森薫さんの漫画。オススメ)の主人公みたいなイメージで。

 あるいは、ちょっとタイプは違うけど、『ビブリア古書堂の事件手帳』(三上延さんの小説。オススメ)の栞子さんみたいな人もいいかも。

 

攻略キャラは、お店のお客さん、または店で雇うバイトとか、仕入先の人とか。

 カフェですから、誰が来てもいいわけで、10代の学生から渋い銀髪の紳士までありでしょう。

 カフェじゃなくて本屋さんとか、図書館の司書さんとかでもいいですね。

 

 

例2)主人公が女子高生なら

 

 ヒロインを落とせ、その2。

乙女ゲームの主人公では圧倒的に多い、現代の女子高生なら。

 

家庭の事情でアルバイトに精を出している(新聞配達、ファーストフードの店員、果てはメイド喫茶まで)。将来は堅実で安定した仕事に就くのが目標。そのため、学業にも当然、熱心である。

いいかげんな親を見て育ったため、「まずは自分の力で生きていけるようになる」というビジョンがしっかりある。勉強とバイトが忙しいこともあり、恋愛にはさほど興味がない。

 

 おとなしそうに見えて、物怖じしない。気が強いというより、淡々と正論を言えるタイプ。

 簡単に照れたり恥らったりしない。あんまり笑わない(そういう子がたまに赤面したり笑ったりすると、レアな分、可愛かったりするんですよね……)。

『桜蘭高校ホスト部』(葉鳥ビスコさんの漫画。少女漫画が苦手な人にもオススメ)のハルヒみたいな性格の子。

 

 攻略キャラは、学友、幼なじみ、先生、多様なバイト先で知り合う人々(同僚だったり上司だったりメイド喫茶の客だったり)など、いろんなパターンが考えられると思います。

 バイトと勉強にいそしむ彼女に、せっせとアプローチしては玉砕する男たち(笑)。果たして、彼女が恋に目覚める日は来るのか?

 コミカル色の強い、男性がやってもおもしろいゲームになるんじゃないでしょうか。

 

 

例3)男性より強い主人公

 

 ヒロインを落とせ、その3。

乙女ゲーム、という範疇では、ほぼ反則だと思うけど。

『鋼の錬金術師』(同上)のオリビィエ・ミラ・アームストロング少将とか、『テラフォーマーズ』(貴家悠さん原作、橘賢一さん作画の漫画。骨太な人間ドラマを求める人にオススメ)のミッシェル・K・ディビスみたいな女性……腕っぷしでも男に負けない、ある意味、無敵の女王様タイプの主人公が居たらおもしろいと思います。

 いや、本当、どんな乙女ゲームだって感じだけども(笑)。

 

 選択肢が楽しそうだと思うんですよね。「この私に気安くふれるな」とか、「死ね、ナルシスト」とか。

 多分、一生に一度も言うことのないだろうセリフを、ゲームならではってことで、是非言ってみたい。

 

 主人公は、前線の指揮官、または女用心棒なんかもいいかもしれません。

攻略キャラ(っていうのか?)は戦友とか部下とか戦う相手とか、もしくは守るべき対象ってことになるのかな……。

 

 

(2)主人公が無個性な場合〜和風ときめきメモリアル〜

 

主人公が無個性な乙女ゲームといえば、現代学園物の「ときメモGS」が有名ですね。

で、管理人の趣味としては、ぜひ歴史物……それも平安時代の宮中を舞台にしたゲームを作ってほしいのですが。

 

 主人公は宮仕えをする官女。

 雅な宮中で、季節の移ろう中、1年〜数年を過ごし、最後は「七夕」の夜に想いを伝え合うのが目的。……って、本当に和風ときメモですね。

 学園で起きるイベントを、宮中の行事に置き換えて。

「舞」「歌」「漢詩」「香」「着こなし」などのスキルを上げ、意中の男性との好感度を上げていく恋愛シミュレーション。

 

 主人公は選択制。

 1人は10代後半。宮中に上がったばかりで、恋愛経験のない女の子。

 もう1人は、20代後半。貴族の娘で普通に結婚したけど、夫が早世したため、宮仕えを始めることになった女性。子供が居ても可。

 どちらの主人公でも攻略は可能だが、当然、相手の態度及び恋愛の過程は変わる。

 

 具体的な時代設定ですが、「源氏物語」が書かれた平安中期か、源平合戦直前の平安末期がいいと思います。

 前者はまさに「平安時代」らしい時代です。

 華やかな表舞台と、その裏側の権力争いや、女同士の嫉妬・駆け引き。作り方によっては、かなり「大人」な話ができると思います。

 

 後者は魅力的なキャラが多いので。

 平家の人たちもそうですし、摂関家のダメ息子・藤原基通とか、批判精神の塊・九条兼実とか、若き芸術家・藤原定家とか。

 色好みの後白河院が、主人公にアプローチをかけてきたりするかもしれません。

その息子たちも個性的です。

同じく色好みで心優しい高倉帝、ちょっと影のある守覚法親王、いずれ反平家の兵を上げる、野心バリバリの以仁王、とか。

ひとつの時代が間もなく終わりを告げようとしている京の都で、切なさと哀愁のただようラブロマンスが紡げそうな気がします。

 

 

(3)攻略キャラよりライバルの数が多い〜高嶺の花を勝ち取れ〜

 

 攻略キャラが1人または数人で、さらに主人公選択性という例。

 ドラクエのパロディみたいな乙女ゲーがあったら、是非やってみたいと思います。

 攻略キャラは全世界の高嶺の花、魔王を倒す「勇者様」で、主人公は冒険者の女の子、どっかの国のお姫様、女性騎士、女魔族、町娘などから1人を選び、さまざまなアプローチで好感度アップを目指す。

 

 男性1人に女性多数。

それってギャルゲーじゃね?と思われるかもしれませんが、「勇者様」ではなく、あくまで女性キャラの目線でゲームをするというのがミソです。

数多のライバルと戦い、意中の相手を射止める――まあ、メインヒーローが好みじゃなかったらアウトですが。

この場合の「勇者様」は、要するに「とびきりかっこいい男性」の象徴なので、現代物や歴史物に置き換えることもできるんじゃないかなと思います。

 

 

(4)同一時間軸で展開する壮大な物語〜大河ドラマチックな乙女ゲー〜

 

 ネットのレビュー等を見ると、ゲームファンが重視するもののひとつにゲームの「ボリューム」というのがよく挙げられています。

 お手軽に遊べるスマホのアプリ等と違い、最初に高いお金を払って購入するわけですから、当然ですよね。

 で、乙女ゲーの「ボリューム不足」はしばしば指摘されるところ。

 シナリオの長さ、という意味もあるのでしょうが、乙女ゲーの場合、ゲーム内で経過する時間もそう長くないことが多いですからね。短いものだと1ヶ月未満、長いものでも半年とか1年くらい?

 そのため、攻略キャラによってはシナリオが急展開に感じたり、恋愛に到る過程が描写不足だったりすることもあります。

 

これに対し、大作RPGなら、ゲーム内で10年単位の時間が経過することもあり、中には主人公の子供世代まで登場するものも存在します。

乙女ゲーで同じことはできないでしょうか?

 

子供はまあ、倫理的にややこしくなるので出さない方がいいと思いますが、時間単位を今より長くするのはアリでしょう。

特に歴史物・戦争や政治的な陰謀を題材にしたもので、長いスパンの主人公の成長を、恋愛を中心に描く、という。

……ぶっちゃけ、韓流歴史ドラマ・乙女ゲームバージョンみたいな(笑)。

 

この場合、恋愛対象が1人に絞られるパターンばかりではないでしょうし、いわゆる「個別ルート」も作りにくいかもしれません(1人の相手に絞って10年……見てる方も疲れるよ)。

管理人好みの、「同一時間軸上で、主人公の行動によってストーリーが変化する」形になるかと。

例えば、どこかの国の後宮を舞台にしたゲームで、あるルートでは攻略キャラAが皇帝で主人公はその后、別のルートではその攻略キャラは政敵に追われ流浪の身となり、数年後、女官として働く主人公と偶然再会。想いは再び燃え上がり――とか。

 

乙女ゲームではわりと王道な「結婚して幸せに暮らしましたエンド」だけでなく、失恋エンドや悲恋エンドも色々作ってほしい。

別に、主人公の不幸を望むわけではありません(笑)。ただ、管理人は、恋愛の究極の形が「結婚」だとも思ってないので。

互いに想い合いながら、別の伴侶を選び、夫婦とは違う形で支え合う生き方だってあるんじゃないかと。(姫君と臣下、とかね)

愛するが故に、互いを求めない。

多分、そういうのがほんとの「純愛」ってものなんじゃないかな……。

 


 

まとめ・乙女ゲームで1番大事なのは

 

 最後に。乙女ゲームで1番大事なものは何でしょう。

 ……なんで今更こんなことを書くかというと、このページでも他のページでも、ゲーム性がどうの、ストーリーの矛盾がこうのといったことばかり書いている気がして。

もしかすると、お読みになった人の中には、管理人が乙女ゲームというものをよくわかっていないのでは?と疑われる向きもあるかもしれないな、と。

本格的なシステムと重厚なストーリーを備えたゲームなら、「名作」と呼ばれるものが数多くあります。そういう「硬派」なゲームがしたいならよそへ行け、と思われるかもしれません。

 

 管理人は、胸が熱くなるようなストーリー、大好物です。

 ですが、乙女ゲーにおけるドラマチックなストーリーというのは、全て恋愛イベントを輝かせるためにある、とそう思っていますよ(断言)。

逆に言えば――ここが管理人の主張したいところなんですけど、ストーリーがいいかげんだと、肝心の恋愛イベントが萎える、っていうこと。

 

例えば、「責任ある立場」と「恋」の狭間に揺れる主人公が居たとして。

主人公の「立場」がいかに大事なものか、その責任の重さを先に描かなかったら、仮に主人公が「責任」を捨てて「恋」を取ろうとも、その決断の重さがプレイヤーに伝わりません。

結果、せっかくの美味しい場面がちっとも盛り上がらない。

 

最近の乙女ゲームは、どちらかといえばストーリー重視の傾向があるようです(これだけノベル形式のゲームが増えれば当然と言えますが)。

 ただ、乙女ゲームのメインは、あくまで「攻略キャラと恋愛すること」。

 ストーリーは本来、恋を盛り上げるためにこそあるはず。

 複雑なストーリーと複雑な世界観、さらに(複数の)キャラとの恋愛を同時に描く、なんて神業ができるなら大歓迎ですし、いつかそんなゲームに出会いたいと切に願ってはいますが。

難しいことに挑戦して中途半端になるくらいなら、いっそメインのストーリーはシンプルでもいいのに……とよく思います。

 

例えば「遙か1」の場合、「京を滅ぼそうと企む鬼の一族が居ます。主人公は京を救うため、龍神の神子として仲間たちと力を合わせて戦います」という、ただそれだけの話ですが、キャラクターの心情がそれぞれ丁寧に描かれている上、周回プレイを楽しめる工夫が随所にあって、ゲームとしては十分「良作」でした。

……「乙女ゲームとしては良作」ではありません。他ジャンルのゲームと比べても、「良作」と呼べるゲームだったと思います。

 一方、「ストーリー重視」と言われる「遙か4」の場合、「はじまりの物語」と謡いながら、シリーズを通した謎が明かされるわけでもなく、「神にあらがい、恋を貫く――」という壮大なテーマも、イマイチ表現しきれていない……ようです(※管理人は未プレイ。複数のレビューやプレイ日記を読んだ上での印象です)。

 

 ゲームや映画のストーリーは、よく作品世界の「幹」や「枝葉」に例えられますよね。

個別のイベントは、これらを飾るもの。クリスマスツリーの装飾のようなものです。

 歪んだ幹に美しい飾りをつけても、美しいクリスマスツリーには見えません。

それくらいなら、すっきりと枝の剪定されたまっすぐな幹に、美しい飾りをたくさんつける方がよほどマシじゃないか……などと愚考する管理人でした。

 


 

オマケ・本格派RPGの乙女ゲーム化?

 

 最近、とあるゲームレビューのブログを読んでいて、ふと気になったことがあるんですけど。

 それはちょっと置いといて、皆さん、「ファイアーエムブレムif」ってゲーム、ご存知でしょうか。

 2015年に発売されたニンテンドー3DSのゲームで、ジャンルはシミュレーションRPG。

 

「ファイアーエムブレム」といえば、ファミコン時代から続く名作RPGで、この「if」はなんと14作目になるとか。

 管理人はこれまで遊ぶ機会がなかったんですけど、名前はもちろん知っていました。

 骨太なシステムと骨太な物語の、いわゆる「硬派」なRPGです。

 

 で、この「ファイアーエムブレムif」がどうしたかっていうと、キャラクターデザインといい設定といい、乙女ゲームファンの食指が動きそうな要素が妙に多いんです。

 主人公は男女選択性なので、ギャルゲー要素もあるんですけど、どちらにせよ、従来のRPGにはあまりなかっただろうもの。

 

例を挙げると、ニンテンドー3DSって、タッチペンで画面にふれて操作する、っていう機能がありますよね。この「if」では、その機能で仲間キャラの顔をナデナデして好感度を上げるっていう、人によっては確実にどん引きだろうシステムがあるのです。これがギャルゲーなら別に驚きませんが、「硬派」な「本格派シミュレーションRPG」ですよ。

管理人は上記のようにシリーズ自体経験がありません。が、ファンの嘆きは想像できます。思い入れの深いファンの中には、もしかすると、メーカーさんを焼討ちしたい気分の人も居るかもしれませんね(笑)。

 

ただ、管理人が気になったのはそこではなくて。

本家本元の「乙女ゲーム」業界は、発売される作品の個性が薄れ、二次創作も一時のような盛り上がりもなく……と管理人が言うのも変ですが、はっきり言って、あまり元気がない。

にも関わらず、別の業界というかジャンルが乙女ゲー化、あるいはギャルゲー化しているというのは、何ともおもしろい現象だなあ、と思うわけです。

 

これは別にゲームに限った話ではなく、漫画にせよ、小説にせよ、いわゆるライト層?を意識したと思われるものが確実に増えている感じ。

そこには当然、ネットやスマホの影響もあるのでしょう。

漫画でもゲームでも、いわゆる「本格的な」作品を楽しむ時間も余裕もない人が、手軽に消費できるコンテンツが必要、という。

それで従来のファンを嘆かせるようなものを作るのは本気で勘弁してほしいところですが、そういう「手軽な」コンテンツを入り口に、興味を持った人が、よりディープな世界に踏み込んでくれたらいいな、とは思います。

 

ちなみに上記の「ファイアーエムブレムif」、どんな設定のゲームかといいますと、対立する2つの王国があって、主人公は一方の国の王族に生まれるんだけど、小さい頃にもう一方の国にさらわれて、自分の正体を知らないまま、敵国で成長します。

で、その後、2つの国は戦争を始めるんですが。

それぞれの国には、主人公のきょうだいたちが居ます。

血のつながった本当のきょうだいと、血はつながっていないけど共に育ったきょうだいが。

構成はどちらも主人公を挟んで、兄と姉、弟と妹。

両者の間で引き裂かれる主人公。この設定がですね。きょうだい萌えの管理人としては、猛烈にツボです……。

あ、このゲーム、仲間となるキャラは友好度を上げることにより、かなり自由に結婚させることができます。主人公含む。……はい。上記の「きょうだい」とも。いわゆる「禁断の愛」っていうのとは違うみたいですが(ネタバレ自粛)。

 

管理人は、「濃い」恋愛描写は苦手です。

一般的な意味の「純愛」も苦手。

ただ、「友達」とか「幼なじみ」とか「家族(のような存在)」とか、そういう「大切な相手」を思う気持ちと、「恋愛」との境界線上にある微妙な感情……というやつが大好物で。

 

あああ、このゲーム、二次創作見たい、書きたい……と身悶えしました。

 

ってゆーかね。乙女ゲーム好きなら、絶対好きなキャラが多いと思う。

システムはさすが名作RPG、実に歯ごたえのありそうなシミュレーションで、ネオロマレベルの難易度で手こずる人なら、かなり苦労するかもしれません。

ただ、初心者向けのユルモードもあるみたいなんで、やってやれないことはないと思いますけど。

優れたゲームっていうのは、どんな人でも、努力すれば必ずクリアできるようにできていますから。

 

管理人は、残念ながら購入予定はありません。

レビューを拝見したところ、肝心のストーリーが惨憺たる出来のようなので(その辺も、古参のファンを嘆かせている要素)。

むしろキャラ萌えしたい!それだけでいい!っていう乙女ゲーファンにこそ、ふさわしいゲームなんじゃないかって気がするなあ。

調べてみると、会話イベントもけっこう豊富だし、特に「結婚」に際しての「告白」会話は、キャラごとの個性も立ってるし、普通の乙女ゲームにも負けてない、と一瞬思うくらいの出来。

あくまで一瞬ですよ。乙女ゲーム並の恋愛イベントとか期待されても困るけど(笑)。

ただ、二次創作好きの妄想をかきたてる要素は、本当に多い。

興味のある方は、某動画投稿サイト様をご覧ください。ゲームのヒロイン・アクアの歌に乗せた、素敵な動画があります。

 

乙女ゲーム大好きなあなた、あるいは、最近の乙女ゲームには物足りなさを感じているという皆さん。

たまには他ジャンルに挑戦してみませんか?

そこにはあなたの知らない萌えがある、かもしれません。

 

「乙女ゲーム語り」・おしまい  




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