「遙かなる時空の中で6」プレイ日記

 

第9回「遙か6・総評」

 

 今回は、「遙か6」の感想・まとめです。

 プレイ前に書いた通り、管理人は「フルコンプリート」(全員攻略)はしません。

 ゲームの隅々まで見尽くしたわけではなく、あくまで「自分が遊びたいだけ遊んだ」上での感想であることをご了承ください。

 

絵と音楽と声と

 絵は本当にキレイです。

音楽はイベントを上手に盛り上げつつ、プレイの邪魔になることもなく。

 声優さんの演技に関しては、文句のつけどころもなし。本当に皆さん、お上手ですね……(うっとり)。

 特に、気品と色気を両立しているルードくんの声と、中性的で透明感のある萩尾の声が好きです。

 あと余談ですが、政虎役の竹本さん。

 前に聞いたのが「三国恋戦記」の文若さん(お堅い官僚役)だったので、あまりの違いにびっくりしました。まるっきり、別人ですね(笑)。

 

ストーリー

 序盤がよかっただけに、3章以降の盛り上がりのなさが残念でなりません。

まあ、それについては、ここまでさんざん書いてきたので、敢えて繰り返しませんが。

せめて、プレイヤー自身の手で居場所を選べたらよかったな。

鬼の一族か、帝国軍か。特殊ルートとして「ハイカラヤ」が本拠地になるとか(2周目以降でもいいので)。

追加ディスクが出るとしたら(出るのか?)、是非検討していただきたいところです。

 

時代設定について

「大正浪漫の香りただよう乙女ゲーム」という歌い文句は、嘘ではなかったと思います。

 もともと「遙か」はリアルな歴史ゲームではなく、その時代っぽい雰囲気を楽しめるのが良さでした。その点の魅力は、「6」でも健在です。

 ただ――個人的には、「遙か」はやはり、古代〜中世が合っていると思いました。

「龍神」や「神子」が尊ばれる設定は、目に見えない「穢れ」や「神罰」が信じられていた時代にこそ説得力を持つもので、現代に近い時代だと、微妙にうさんくさく感じるんですよね。

 怪しい宗教か、あるいは特殊な力を持った「ただの人」って感じで……。

 

今後もシリーズが続くとしたら、次はどんな時代が舞台になるんでしょうか。

大正まで来た以上、まさか昭和はないでしょうし、また過去に戻るのかな。

衣装萌えなら、飛鳥時代〜平安初期辺りがいいと思います。

戦乱の時代を舞台にしたいなら、鎌倉時代(元寇)や、南北朝時代(太平記)なんかも、ネタとしてはおもしろそう。

あと、「京」を舞台にした戦乱、といえば、「応仁の乱」も残ってますね。

歴史好きの管理人としては、中世以前ならだいたい歓迎です。できればマイナーな時代にも、恐れずチャレンジしてほしいですね。

 

「CERO」について

 ゲームをやる前は勘違いしていたのですが、今回、「C」になった理由は「恋愛」や「性描写」ではなく、「犯罪」「反社会的表現」でした。

 愛宕山の事件が、一種のテロ行為と見なされたのか(世の中、テロには敏感になってますし……)。

 あるいは、デモ隊が暴徒化するシーンが引っかかったのか(あそこは正直、どうして武器を出したのかよくわからなかった。「あの人」を非難したくはないから、書かなかったけど)。

 まさか、主人公が銃を撃つシーンが問題だとか?(相手は怨霊だけど)。

いずれにせよ、さほど過激だと思える表現は見当たらなかったので、果たしてどの部分が審査に引っかかったのかはわかりません。まだ見ていない個別イベントの中にあるのかな?

 

戦闘について

 微妙。

 途中まではわりと楽しかったんだけど、変化に乏しくて……ぶっちゃけ、飽きます。

 1度に行動させられる味方が1人だけで、気力を回復する手段も少ない。

結局は、攻撃が最大の防御、って感じで、ただ殴り合うだけになっちゃうんですよね。

 怨霊を戦闘で使えるという、黒龍の神子が主役ならではのシステムも、実際のゲームではあまり使い所がありませんでした。

 効果のわりに「陰の気」を食い過ぎるのと、結局は普通に殴った方が早いというのが、主な理由です。

 

 最近の乙女ゲームを見ていると、キャラの育成とか、戦闘とか、プレイヤーにとって手間のかかる要素は、もっぱら削られがち。

「遙か6」もそれに影響されて、戦闘を簡略化しようとしたのかもしれませんが……楽しい部分を削り、単調な作業にしてしまったのでは、あまり意味がないような。これでは、やり込み派の人でも「面倒」と感じてしまう恐れがあります。

 

 別に、3Dとか、派手な演出とかはなくてもいいんですよ。誰も「遙か」にそんなもの望んでない。

 ただ、プレイヤーを楽しませる工夫だけは忘れないでほしいと切に願います。

だって、「ゲーム」なんですから。楽しくなかったら「ゲーム」じゃないでしょ?

 

探索について

 怨霊の居ないポイントに行くと、育成アイテムをゲットできるというシステム。

「1」や「2」のようにミニゲームとかはないですが、同行者のちょっとした会話を楽しめます。

 これが意外に楽しかった(笑)。「遙か」はこういう細かいところがいいんですよね。

 まあ、会話のバリエーションはそう多くありませんが……。

ストーリーの都合上、終盤、連れて歩けるのが有馬、秋兵、萩尾の3人だけっていうのも、かなり物足りない。

 もうちょっと自由に同行者を選べる形にできなかったんですかね?

 

主人公について

 今回、ストーリーの次に残念だった部分。

 悪い子ではありません。むしろ素直で、真面目で、いい子。

 ただ、管理人の好みとは合わなかったので、個別の恋愛イベントにも、ストーリーにもハマれなかった。そういう意味での、「残念」です。

 

 里谷が「無垢」という言葉を使っていますが、実際、今回の主人公はそんな感じですね。

 世の中の怖いところとか、汚いところとか、知らずに育ってきたんだろうな、と。

 だから基本的に他人の善意を信じているし、どこかのん気で、危機感が薄い。まさに「世間知らず」のお嬢さん、って感じ。

 

 普通の女の子として見れば、梓のそういう性格は美徳だと思います。

 ただ、彼女は黒龍の神子。

 力そのものが世界を救う手段になる白龍の神子と違って、一歩間違えれば、世界を破滅させる力を持つ神子です。

 素直で純粋な「お嬢さん」では、巧妙に悪意を隠せる人間にとっては、いいカモではないのでしょうか。

 

 事実、序盤は梓の素直さがアダとなり、ダリウスに利用されてしまいます。

 愛宕山の事件は、心優しい彼女には大ショックでした。結果、梓は、ダリウスのもとを逃げ出し、帝国軍へ。

 自分の力でこの街の人たちを傷つけてしまった。だから今度は、自分の力でこの街を守ろう。

 で、帝国軍では、言われた通り怨霊退治に明け暮れる。

 ダリウスの真意を疑い、深く理解しようとすることもせずに。

同じように、自分が属することになった帝国軍という場所に対してもさして疑いを持たずに。

 

 たった16歳の女の子です。浅慮、と言ったら厳し過ぎるかもしれない。

 ……でも、主人公なんだよね。

 できるなら、もうちょっと自分の意志で行動する場面というか、端的にいえば「強さ」を見せてほしかった。

 

 今回のストーリー……個別のイベントも含めてですが、主人公が自分の力で事態を解決したように見えるところが少なかった気がします。

むしろ、周りの人たちにフォローされる場面が目立ちました。

最後は千代に守ってもらってるし。しかも、本来は彼女のものになるはずだった○○まで手に入れて、もはや至れり尽くせりだよね。

 梓が稀に見るいい子だからこそ、周りもフォローしたくなるんだということはわかります。

 それは主人公としてふさわしい素質の1つと言えるかもしれないけど……個人的には、かなり物足りなかった。

 

 管理人は、もうちょい我の強い子の方が好きです。

それこそ「遙か3」の望美みたいに、自分の願いのためなら、歴史だって変えてしまえるくらいの方が(それが良いか悪いかは別として)、ゲームにのめりこみやすい。

 あくまで好みの問題ですけどね。

 乙女ゲームの主人公は、あまり自己主張しないタイプの方がイベントの邪魔にならなくていい、という人も居るでしょう。

 そういう人には、今回の主人公はわりとオススメなのかもしれません。

 

恋愛イベントについて

 攻略キャラは、全員、ゲーム前に思っていたよりもよかったです。

 人となりが丁寧に作りこまれていて、この点はさすがという感じ。全員のエンディングは見ていませんが、見た限りでの感想を。

 

ルードハーネ

 真面目で努力家でしっかり者の少年と、同じく真面目でがんばりやで、ちょっと危なっかしい女の子の恋。

 世話を焼いているうちに相手のことが放っておけなくなり、やがて特別な気持ちをいだくようになる……。ルードは優しいですし、その描写には説得力がありました。

 彼は絶対に浮気とかしないでしょうし、梓は間違いなく幸せになれるでしょう……。

 

里谷村雨

 過去に傷を持つ男と、無垢な少女の恋。

 里谷は大好きなキャラですが、なにぶん、大人ですから。「なんで梓を好きになるんだろう?」と途中までは疑問に感じていたのですが、意外に無理のない恋愛描写だったと思います。

「世の中の汚い部分」をうんざりするほど思い知っていた里谷には、そういうものを知らない梓の姿がまぶしく見えたんでしょうね。できるなら、このまま、無垢なままで守りたいと思った、と。

 ただ、個人的には、終盤〜エンディングよりも、中盤くらいまでのイベントの方が好きです。

 市民運動を話に取り入れたのは、その時代らしさを出そうとしたのかもしれないけど……それが乙女ゲームに合っているかというと……(悩)。

 

萩尾九段

 世間知らずな女の子と、浮世離れした男。

 果たしてどんな恋になるかと思いきや、見ていてほのぼのしました。

 いや、本当に。

 前述のように、管理人は今回の主人公といまいち合わなかったので、誰と組み合わせても微妙にイライラ、モヤモヤくるものがあったんですが、萩尾だけは何か楽しかった。世間知らずも、ここまで行くと和むわ(笑)。

 千代絡みのイベントがちょこちょこあるのも嬉しかったですね。メインのストーリーで千代のイベントが少な過ぎたので、その点の不満も解消させてもらいました。見てよかったです。

 

コハク

 不幸な生い立ちを持つ少年と、女神(笑)のように優しい少女。

 少女は少年の明るさに惹かれ、少年は少女の笑顔に癒されていく。

 美しいといえば美しいんだけど……コハクがね。明るくていいキャラなのに、実は自己評価低いんですよね。

 だから、優しくしてくれる梓がすごく特別に思える。別に梓じゃなくたって、コハクを好きになる人はいっぱい居るはずなのに。

なんか、もったいない気が(笑)。

もっといろんな経験を積んでから相手を選んでも遅くないぞー。

 

本条政虎

 世間ずれした大人の男と、箱入りお嬢さん。

女の子の方が、振り回されながらも惹かれていくパターンですね。

恋の主導権は男性の方に握っていてほしい、と思うタイプにはうってつけの相手かと。

 

ダリウス

 やはり「遙か6」を語るなら外せないキャラだろうと、2周目で攻略を試みたのですが……スミマセン。挫折しました。

 ダリウスって、仮面をかぶってますよね。紳士な顔、冷酷な顔。その時ごとに仮面を付け替えて、本心を隠してる。

 おそらく強い人ではないんだろうと思います。「こうする」と心に決めていても、冷徹になれない。迷いや弱さを内に秘めている。

 まあ、歴代「地の青龍」もそうでしたよね。表では強がっていても、内側に弱さを隠しているというタイプ。だから、そこはいいんです。むしろ納得。

 ただ「遙か1〜3」の場合、そんな彼の弱さを、歴代「白龍の神子」様たちが強さと優しさと母性で包み、支え、救いになっていました。

 けど、梓はなあ……。優しいかもしれないけど、強くはないでしょ。

 

 事実、梓はダリウスを1度拒否し、逃げてしまいます。

 愛宕山での鬼の一族のやり方を認められない、っていうのはわかる。

 けど、事情説明さえ聞こうとしないっていうのは、ただ怒っているのとはわけが違う。完全な拒絶ですよね。「もう関わりたくない」と言って逃げたんだから、普通ならそれで終わりのはず。

 でも、梓は、彼との関係を断ち切れない。ルードに「今更」と言われても、「やっぱり気になる」。

 一方でダリウスも、大して引き止めもせずに手放したわりには、未練タラタラ。ダメカップルですね(笑)。

 いえ、非難してるわけじゃないですよ。そういう恋愛もアリだと思います。

 要は好みじゃないってだけで……どうにも感情移入できなくて、続けられませんでした。スミマセン。

 

 あと余談ですが、ダリウスイベントに出てくるルードはけっこうひどいです。

 さも、ダリウスの理想を理解しない梓が愚かであるかのような言い草や、挙句に「ダリウス様が間違うはずがない」とか。

 間違わない人間なんて居るわけないだろーが。

 しかも、そこまで信じる理由になってるのが、結局は「自分にとって恩人だから」って、視野が狭過ぎるだろう。セフルレベルだよ。

 管理人はルードくん大好きだけど、これ、先に見てたら絶対、攻略しなかった(笑)。見なくてよかったと心から思いました。

 

恋愛イベント補足・ちょっと驚いたこと

 今回、キスシーンのスチルと、リップ音がありました。

 だからどうしたと言われると非常に困るんですが……、なんか、「遙か」も普通の乙女ゲームになってたんだなって思いました……。

 

評価・まとめ

 発売前の情報を見た限りでは、「そこそこの評価」は期待できそうだった新作「遙か6」。

 実際、ネットを見ても、評判はそう悪くないようです。

 何と言ってもキャラが魅力的だし、絵はキレイだし、乙女ゲームで最も重要な「恋愛イベント」については、さすがのクオリティですしね。

前作をやっていなくても特に問題なく遊べるので、「遙か」シリーズはこれが初めて、という人にもハードルが低いでしょう。

 イベント重視派、好みのキャラが居る、あるいは好きな声優さんが出ている、ストーリーはさほど重視しない、という条件にあてはまる人なら、買って損はないと思います。

 

 ただし、「自分は『遙か』シリーズのファンだ」と自負する人はご注意を。

シリーズファンの「6」に対する評価は、けっこうマチマチだからです。

「今までのシリーズが好きな人なら、是非やってみて!」という声もあれば、「こんなの『遙か』だと思われたくない!」って声もある。

その作品に何を求めるかは人それぞれ。なので、まだ購入を迷っている、という人は、なるべく自分と趣味の近そうな人のレビューを参考にするのがいいかと思います。

 

 やはりシリーズファンである管理人の評価はどうか、というと。

ここまでプレイ日記を読んでくださった方なら、敢えて言わずともわかってくださるでしょう(笑)。

「6」が「遙か」の名に値しないほどひどい作品とまでは思いませんけど、ネットでの評価が高いのには、正直、驚きました。

 どうして、ここまでズレがあるのか……自分なりに、理由を考えてみたのですが。

 

 管理人は、コアな乙女ゲームファンではありません。「乙女ゲームも遊ぶ、ゲームファン」です。

 他ジャンルのゲーム――例えば、RPGなどの場合、個々のイベントやキャラクターがどんなによくても、メインのストーリーとシステムがダメなら、「良作」とは呼ばれません。

 その点、乙女ゲームの場合、恋愛イベントさえよければ(場合によってはそれすらダメでも、萌えられるキャラさえ居れば)、他は軽視される傾向があります。

 乙女ゲームを主に遊んでいる人と、他ジャンルのゲームも遊ぶ人とでは、評価にズレがあるのも当然なのかな、と。

 

「乙女ゲームにしては悪くない」「乙女ゲームにしては、システムもよくできている」。

 ネットを見ると、こんな言葉が普通に使われています。

「乙女ゲームは、ゲームとしての出来がイマイチでもしょうがない」と言われているようで、乙女ゲーム好きの管理人としては、ちょっと寂しい気がします。

 

 乙女ゲームファンの声を軽視しろ、とは言いません。ですが、ゲームファンの数>乙女ゲームファンの数、であることは言うまでもなく。

 できるなら、一般ユーザーも楽しめるような乙女ゲームが、もっと増えてほしい。

「遙か1」〜「3」はそういうゲームだったと思いますし、管理人自身がそうであるように、ネオロマンスシリーズから乙女ゲームの世界を知った、という人はけして少なくないはず。

できればルビーパーティーさんには、今後もそういうゲームを目指してほしいと思います。

 

 まとめのはずが、長くなってしまいました。「遙かなる時空の中で6・プレイ日記」、本文はこれにて終了です。

ここまでお付き合いくださった方、本当にありがとうございました(ふかぶか)。




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