「遙かなる時空の中で6」プレイ日記

 

オマケ2・「遙か」のこれから

 

 久しぶりに新作「遙か」を遊んで、エンディングを迎えてみて。

 一応、それなりに楽しめはしたけれど、シリーズファンの1人としては、色々と思うところもありました。

「遙か」というゲームが、果たしてこの先も続くのか。今後の展望は?的なことを、最後に考えてみたいと思います。

 けっこう辛口なことも書いているので、そういうのが嫌な人は読まないでくださいね(笑)。

 

「遙か」はもともと、平安時代の京都(に、よく似た異世界)を舞台にした、雅で、古風な乙女ゲームでした。

 ゆったりとした時の流れる悠久の都で、紡がれる恋物語――。

 いわゆる「世界の危機」的なものはあっても、どちらかといえばのんびりした感じのお話でした。

 

それが、源平合戦を舞台にした「3」で大当たりして以来、若干、路線変更した気がします。

「4」の舞台は神話の時代なんですけど、なぜか「常世の国」との戦争がテーマなんですよね。

「5」に至っては、「幕末」が舞台です。

 本格的な歴史物でも、なかなか取り扱いが難しい。さまざまな思想や利害が入り乱れ、何が正しいとか間違っているとか、簡単には決められない。そんな時代です。

 正直、「龍神」や「神子」の設定が馴染むとも思えなかったので、遠巻きに眺めつつ心配していたら……案の定というか、「5」の評価は非常に厳しいものでした。

 主な批判は主人公の性格に集中していたようですが、ネットのレビューを読む限り、幕末という舞台の描き方についても、歴史ファンにとっては地雷になっていたようです。

 

別に、「戦乱の時代なんて、『遙か』には合わない」と言いたいわけではありません。

ただ、「人と人との争い」というのは、本来、とても重たいテーマです。

 1番重要なのは「戦う理由」だし、ストーリーにも、説得力のあるものが求められます。

 

はっきり言って、「遙か」はこの「ストーリー」の部分がもとから弱いんですよね。

 人気の高かった「3」にしても、「なぜ源氏と平家が戦っているのか?」「果たして平家の側が一方的な悪なのか?」という点はほとんど掘り下げられておらず、ただの女子高生であるはずの主人公が、怨霊ではなく、生きた人間相手に武器を振るう、その葛藤も十分に描かれているとは言えません。

 

「遙か6」の発売前、公式ページ等の情報から管理人が思ったのは、「3以降よりも、1や2に似ているのかな」ということでした。

 メインのストーリーはシンプルに、個々のイベントを大事に描く。「1」や「2」が好きな管理人は、それを歓迎していました。

 ですが、実際に「6」をやってみて、ちょっと考えが浅かったかもしれないな……と反省しています。

 考えてみれば、「1」や「2」にしても、今の時代に「新作」として出ていたら、高評価を得られたかどうかはわかりません。

乙女ゲームの世界も進化しています。優れた作品が色々と出ている昨今、ただ原点に戻ろうとするだけでは足りないのかもしれないな、と(「6」が「1」や「2」の良さをちゃんと引き継いでいたかどうか……は置くとして)。

 

その点、「3」はそれまでの乙女ゲームとは違う領域に足を踏み入れた、当時としては画期的な作品だったと思います。

 悲惨な戦場、過酷な運命。それらを超えて通じ合う、心と心。

 胸の痛くなるような切なさ、愛しさを味わわせてくれました。ストーリー面の矛盾があっても、尚すばらしく、魅力的なゲームだったと思います。

 

「新作『遙か』が出るとするなら、どんな作品がやってみたいか?』

 

 理想は単純です。

「3」の欠点は補い、魅力はよりアップしたような作品です。

 

 その点では、評価が微妙だった「4」の路線は、けして間違いではなかった気がします。

 主人公は亡国の姫君。重たい責任を背負っており、自分1人の感情では生き方を決められない、不自由な立場です。

 そんな姫君が、ただ1人の男性を好きになってしまう……。

 要は「禁断の恋」ってやつで、非常に萌えるシチュエーションではあるのですが、実際のゲームではこの「禁断の」という部分が甘く、わりと簡単に相手とくっついちゃうみたいです。

 お互いの葛藤とか、周囲の妨害とか、うまく組み合わせたら、すごく切ないラブストーリーが作れそうなのに……ネットの評価でも、「おもしろいんだけど、色々な部分が惜しい」という意見が多く見られました。

また、「ストーリー面での矛盾」という「3」の欠点についても、残念ながら改善されていなかったようです。

 戦いをテーマにしていながら、あいかわらず「戦う理由」が弱い。

明確な理由もわからないまま戦わされたのでは、プレイヤーが感情移入できません。

 

 説得力のあるストーリーの導入。

 今後も「遙か」が続くなら、是非、改善していただきたい部分です。

 乙女ゲームなんだから、恋愛イベントが良ければそれでいいじゃん、という人も居るかもしれません。

 でも、個別の恋愛イベントが良ければこそ、なんですよ。

 これがメインのストーリーと絡み合い、相乗効果を起こしたならば、「良作」以上の作品になること間違いなし。

「遙か」はそういう期待を抱かせる作品なんですよ。

 

 あとは、バッドエンドの導入。

 昨今の乙女ゲームでは、バッドエンドも凝ったものが多いですよね。この点は、「遙か」シリーズも、もっと積極的に取り入れていいのではないかと思います。

「戦乱の時代」に限らず、何らかの「障害のある恋」を描くなら、やはり切ないバッドは必須。場合によっては、グッドエンドより魅力的なお話が作れるかもしれません。

 今までの作品にもアナザーエンドはありましたけど、どちらかといえばオマケ的な扱いでしたからね。

 ちゃんと「回想」モードで閲覧できるイベントのひとつとして、「こんなラストもありかもしれない」と思えるようなバッドを是非、作ってほしいです。

 

 もちろん、安易に最近の乙女ゲームに習え、というわけではありません。

「遙か」には「遙か」の個性があります。

作品には常に一定以上の気品があって、登場人物たちも気高く、純粋な人が多い。

 絵もキレイだけれど、お話自体がキレイなんですよね。

恋愛に関しては、みだりに手を取ることさえためらうくらいプラトニック。

 

シリーズを重ねても、乙女ゲームの世界が進化しても、そうした「遙からしさ」は変えてほしくありません。

むしろ、そうした個性を最大限に生かし、思いっきり「切ない恋」を描いてほしいですね。それが、シリーズファンとしての願いです。

 

(遙かなる時空の中で6プレイ日記・おしまい)  




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